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グラデーション積み木を一目見た瞬間に、思わず声を上げてしまいました。 「そう言ってもらえるようにつくりました」と笑顔でおっしゃる開発者の野首正彦社長。 グラデーション積み木は12色の色合いが鮮やかで、すぐに手に取ってみたくなります。 手に乗せてみると、木ならではのぬくもりのある質感が感じられ、大きさや重さなど子どもが遊びやすいように工夫されていることが伝わってきます。
高く積み上げたり、建物をつくってみたり、色や形を当てるクイズをしたり、積み木同士を合わせてカチカチと音を鳴らしてみたり、グラデーション積み木の遊び方は無限大です。お片付けすらも遊びに変えられるようにケースの底面には図面が印刷されており、パズルを楽しむ感覚で積み木をしまうことができます。子どもたちは野首木工所のみなさんでも予想しなかった遊び方を見せてくれることもあるそうです。子どもの好奇心にはたらきかけるグラデーション積み木だからこそ、子どもたちは想像力の翼を広げて自由に楽しく遊ぶことができます。
また、私が「きれい」と思わず声に出したように「色がきれいだね」など、グラデーション積み木は遊ぶ子どもに話しかけたくなる魅力を持っています。「いちごと同じ色だね」「何をつくっているの?」「これは丸いね」等々声をかけることで、親子の絆や子どもたちの感性は育っていきます。 まだ言葉を話さない年齢のお子さんがグラデーション積み木で遊んでいる様子を親御さんが見て、いつもこの色の積み木を使うからきっとこの色が好きなんだろう、と気付くこともあるのだとか。グラデーション積み木は、知育おもちゃでもあり、親子のコミュニケーションツールでもあります。 一目で子どもの心をつかみ、感性を育んで世界をどこまでも広げてくれるのが、グラデーション積み木です。
子どもたちが安全に楽しく遊べるように、グラデーション積み木の製造作業はすべて職人さんによる丁寧な手仕事で行われています。 まずは積み木の材料となる板の検品から始まります。板に節や割れ目がないかを確認します。 その後に機械を使って板を切る工程があります。子どもが口に入れても飲み込むことがないようにする一方で、子どもの小さな手で持ちやすい大きさになるように、ミリ単位で大きさの調整がされています。 そして、木材の表面を滑らかにするのも大切な作業です。積み木が繊細で柔らかな子どもの手を傷つけてしまうことのないように、職人さんたちは真剣な顔つきで作業に取り組みます。
角材のままでは角が肌に当たると痛いため、角を取る面取りが施されています。 グラデーション積み木の面取りには、こだわりがあります。積み木の縦に長い面にはR(アール)という丸みを帯びた面取りがされ、小口(切り口)の面は糸面というRに比べると細い面取りがされています。Rの施された面の方が手になじみがいいため、子どもたちは無意識に縦に長くなるように積み木を握って、積み木の小口の面を合わせていきます。小口の面の方が小さいため積んだときにバランスが保ちやすく、より高く積み木を積んでいくことができます。まっすぐに生えている木のように高く積み木を積んで、子どもたちがすくすくと健やかに成長してほしいと願って、面取りの工夫がされています。 木材の準備が整ったら、塗料を塗ります。日本玩具協会安全基準(ST)を合格している塗料を使っているため、子どもがなめても安心です。ムラにならないように、一目できれいな色だと感じてもらえるように、丁寧に手でひとつひとつ色付けをするのは、時間がかかり根気のいる大変な作業です。 積み木の梱包も、ひとつひとつ心を込めて丁寧に。ケースに詰めながら積み木1ピースずつ最後の検品をします。
「ものづくりが好き、形に残るものをつくりたい」「安心して遊べるという声が嬉しい」と、職人さんは作業時の真剣な顔つきから一転、親しみやすい笑顔で話を聞かせてくれました。子どもが安全に楽しく遊べるように、という職人さんの思いは積み木の形になり、子どもたちに笑顔を届け続けています。
野首木工所のある岐阜県郡上八幡は、吉田川が雄大に流れ、山の緑が広がる自然豊かな地です。自然からの恵みを活かしたものづくりが盛んで、積み木などの小木工製品も数多くつくられてきました。 野首木工所は、昭和35年創業。創業者である野首正一さんは元々山師を生業としており、山や木のことをよく知っていました。郡上高等学校の旧講堂を工場にし、そこで60年以上木のおもちゃをつくり続けています。
子どもたちの心を育てる自社製品の開発だけでなく、木の贈り物を子どもたちに届ける活動にも野首木工所は積極的に取り組んでいます。 郡上市は、市内で生産された木工製品を新生児に贈る「GUJO WOOD GIFT」という事業をしています。野首木工所も参加しており、積み木を多くの親子に届けてきました。また、製品の製造過程で出てくる端材を利用して地元の学校で木工づくり体験授業を行い、子どもたちに木に親しんでもらう取り組みを続けています。 まるで何年も前からSGDsを先取りしていたかのように、木を大切にし、木の恵みを子どもたちに伝え続ける野首木工所。野首木工所の子どもたちへの木の贈り物は、生きていく上で大切なことを教えてくれます。
「元気の秘訣は、一生懸命に仕事をすること」 そのようにおっしゃった野首社長の明るい笑顔には、長年続けてきた仕事への誇りが感じられました。 グラデーション積み木は、20年ほど前に社長が開発したもの。デザインも製造も、何もかもを社長が一人で自らの手を動かして開発されたそうです。「ある日朝起きたら、試作品ができていました」と社長の娘・藤田さんが教えてくれました。 藤田さんは郡上八幡で育ち、有名な郡上おどりは子どものころから親しんだもので、郡上おどりコンクールで優勝されたことも。郡上八幡を愛し、地元の学校で木工づくり体験授業の講師をしたり、野首木工所の新製品を考えたり、精力的に活動されています。
社長と藤田さんに野首木工所の積み木で遊ぶ子どもたちへの思いをうかがうと、「積み木を五感で楽しんで感性を豊かにしてほしい」「おもちゃには本来遊び方のルールはないので想像をふくらませて自由に楽しんでほしい」「言葉や色、形への感覚を伸ばしてほしい」など、たくさんの真摯な願いを聞かせてくれました。 「積み木で遊ぶ年齢じゃなくなっても、たとえば小学校で図形を習ったときに丸はあの積み木の形だ、と思い返してもらいたい」と、成長して積み木で遊ばなくなったあとも積み木が子どもたちの成長を支えることを願って、今日も一生懸命にお仕事をされています。
グラデーション積み木で遊んだ幼少期の楽しい記憶は、人生の要所要所で思い返されて、子どもの礎となっていきます。その子が大人になり、大切な子どもや孫に積み木を贈る。そして子どもや孫と一緒に遊んで、心の礎の上に家族のあたたかな思い出がのって……。グラデーション積み木で、大切なあの子とカラフルで素敵な思い出を積み重ねていきませんか。
イギリス留学中に着物を着てみたら喜んでもらえたことをきっかけに、着物にどっぷりハマったライター。和裁の勉強を始め、モノをつくる人の技術と思いに胸を打たれる。モノや人の魅力が伝わるように、つくる人の思いを尊重しより大切にできるように、一生懸命に言葉を紡ぎ文章を織る。
from : 滋賀県草津市
12色の色鮮やかなグラデーション積み木。子どもたちの成長を心から願い、子どもたちが安心して楽しく遊べるように、ひとつひとつ職人さんが手作業で丁寧につくっています。子どもたちの好奇心にはたらきかけ、自由自在に遊べます。塗料は日本玩具安全基準を満たしているため、口に入れても安心。子どもたちの感覚や感性を育てる知育おもちゃであり、親子が一緒に楽しめるコミュニケーションツールでもあります。
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