ユネスコ無形文化遺産登録で注目!日本三大盆踊り“郡上おどり”とは

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日本三大盆踊りのひとつ

日本の夏のお祭り。中でも盆踊りは、全国各地で開催されていて馴染みも深いと思います。
みなさんの地域では、どんな盆踊りが開催されているでしょうか?
地域によって様々な特色をもって開催されている盆踊りですが、中でも、日本三大盆踊りと言われる【秋田県羽後町の「西馬音内盆踊り」】【岐阜県郡上市の「郡上おどり」】【徳島県徳島市の「阿波おどり」】は、観光客の方も大勢で、地元じゃなくても一度は参加してみたい、と思うイベントです。

ユネスコ無形文化遺産に登録!

今回は、2022年11月にユネスコ無形文化遺産に登録された【郡上おどり】をご紹介します。
ユネスコ無形文化遺産への登録は、全国24都府県41件の伝統的な踊りで構成された「風流踊」として採択されました。採択された11月30日には郡上市でセレモニーが開催されるなど、地元の熱気が高まっています。海外からの関心も高まり、多くのインバウンドの方々が郡上市へ観光に訪れています。

川の流れに雄大な自然を感じて

郡上おどりが開催される郡上市は、岐阜県のほぼ中央に位置しています。市内南北に日本三大清流の一つ【長良川】が流れており、山間の景色とも相まって雄大な自然を感じられる場所です。
郡上おどりのメイン開催場所となる郡上八幡旧庁舎前には、長良川へとつながる【吉田川】が流れており、川の流れを感じながら踊りを楽しむことができます。郡上おどり会場周辺には、地元の商店・飲食店・縁日の屋台がたくさんあるので、観光の際は1日中楽しめる場所となっています。

江戸時代から徹夜で踊られてきた

郡上おどりは江戸時代の初期、八幡城主の遠藤慶隆が領民の融和をはかるために、藩内各所の踊りを城下町に集めて奨励したことが始まりとされています。(諸説あります)
郡上おどりといえば【徹夜おどり】が有名です。1840年に池戸甚右衛門が書いた「郷中盛衰記」には、「​​延亨時代までは、宮の拝殿は九頭と祖師野ばかりのよし、盆中氏子拝殿にて夜明かし踊り候由」と書かれており、延亨時代は1744〜1748年なので、かなり昔から徹夜で踊っていたことがうかがいしれます。

2023年は4年ぶりの完全開催

最近の郡上おどり開催状況はどうでしょうか。コロナ禍によって残念ながら2020、2021年は中止、2022年は縮小開催となっていましたが、ついに、2023年からは以前と同様の完全開催となっています。久しぶりの完全開催ということで、ユネスコ文化遺産登録と相まって熱気・関心度はすごい高まりです。
郡上おどりは地元の方だけでなく、観光客など初めて来た人も一緒に踊れる【参加するおどり】なので、その熱量をぜひ会場で踊りの輪に入って感じてみてください。

例年の開催スケジュール

郡上おどりのスケジュールですが例年、7月中旬ごろに郡上八幡旧庁舎前で開催される【おどり発祥祭】を皮切りに、9月上旬の【おどり納め】まで約2ヶ月間開催されています。30夜以上にわたって郡上市内各地区の会場で踊られていて、日本一のロングラン盆踊りと言われています。
期間中、最も有名でにぎわいを見せるのが【徹夜おどり】ですが、徹夜おどりはお盆の期間、8月13日から16日までとなります。この4日間だけは翌朝4時ごろまで開催されていますので、とことん踊って楽しむことができます。

2023年の開催スケジュール

4年ぶりの完全開催となった2023年の主なスケジュールは以下の通りです。

  • おどり発祥祭 7月 15日(土曜)午後7時30分〜11時ごろまで
  • 徹夜おどり  8月 13日(日曜)から8月16日(水曜)午後8時〜翌朝4時ごろまで
  • おどり納め  9月 9日(土曜)午後8時〜11時ごろまで(11時から屋形おくり提灯行列)

7月15日から9月9日までの期間中には、郡上市内各地区の会場で踊りが催されています。郡上八幡観光協会さんの日程ページで時間と場所を確認されてから、お出かけください。

郡上おどりへの参加 服装はどうすればいい?

【参加するおどり】である郡上おどりには、Tシャツに短パンといった夏の普段着で踊りを楽しまれている方も多数いらっしゃいます。普段着での参加も全く問題ありませんが、せっかくの郡上おどり、最大限に楽しむのなら【浴衣に下駄】がやはりおすすめです。
踊りの列に並んで、踊りの輪に入って、踊っているとわかるのですが特に【下駄の音】は郡上おどりに欠かせない風情なので、下駄で踊って祭りの一体感を感じてください。市内には浴衣・下駄の販売、レンタル、着付けを行っているお店もありますのでお持ちでない方はそちらの利用も検討してみてください。

踊りを予習しておくなら【かわさき】

郡上おどりで踊られる踊りは、見よう見まねで何度も繰り返し踊っているうちに覚えることのできるものばかりです。
郡上おどりには10種類の踊りがあります。曲名は「古調かわさき」「かわさき」「三百」「春駒」「ヤッチク」「げんげんばらばら」「猫の子」「甚句」「甚句」「さわぎ」「まつさか」です。
その中でも一番多く踊られるのは「かわさき」です。軽やかなステップと手拍子の一体感はやみつきになります。踊りはYoutubeでもアップされていますので、これだけでもぜひ覚えていってください。

さあ、郡上おどりの輪に入りましょう

郡上おどりの魅力はなんといっても、誰もが参加できる【参加するおどり】であることです。
このコラムで興味を持っていただけましたらぜひ一度、実際に郡上へ行ってみてください。おすすめはやはり、8月13日から16日までの4日間に開催される徹夜おどりです。
郡上の雄大な自然と風情ある街並みを感じて、踊りの輪に入ってお祭りの一体感を味わってください。そして体力の続く限り、朝まで踊ることにチャレンジしてみてください。

紡ぎ手:かいな

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